プロフィール

スリープデッド

Author:スリープデッド
弱いものを叩く力より
弱いものをまもる勇気

大嫌いなもの:きれいごと

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

カウンター

ブロとも申請フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

楽を選んだ監視人

 16~19歳まで、よく工事現場でバイトをしていた。
 なんといっても手取りがすっごくいいので(マニアは金遣いが荒いからねえ(笑))。
 で、バイトしていたある日の早朝、全員集合してこの現場の責任者の話を聞くのだが、俺達作業員にこう言いに来た。
 「今日の昼前に、国からの偉いさんが来るから掃除しておくように」と。

 で、そのお言葉を聞いてから我々は作業に入るのだが、その時僕がバイトしてる会社の頭領はこう言った。

 「いいか、掃除なんかしなくていいぞ。仕事してればゴミが出るのは当たり前だ。掃除してたら、仕事なんか出きるか」と。

 俺はこの頭領の言葉に感心したね。ほんとその通りだぜ。
 で、俺達は掃除なんかせずに仕事をしていると、先程の現場の責任者がやって来て、俺達(というか、一番若い俺に)「こら! 掃除しろ!」と言いに来やがった。

 すると頭領が、「うるさい、向こうに行ってろ!」といってその責任者を追い返した。
 いや~頭領かっくいいねえ~。

 で、いつの間にか国の偉いさんが見て回っていたようだけど、気にしてないのでどんな感じで見てたのか覚えてないや(笑)。

 この出来事から10年以上が過ぎたのだけど、いまだに思うね。

 みんなアホばっかやと。

 だってそうじゃん。
 わざわざ「今日現場を見に行く」といってやって来て、現場にゴミがあるかどうかだけチェックする国のお偉い方。
 来るのがわかってればマズイものは現場で除外して隠ぺいしちゃうし、ゴミが出てないというのは逆に言えば「仕事してない」証拠じゃん。
 やれやれ、これだからお役所仕事って言われるんだぜ。

 雪印の菌が付着してた牛乳を売ってたけど回収しようかどうしようか迷ってる間に被害が広まっちゃってわたしだって寝てないんですよ、を例にするまでもなく、こういう話を聞くたびに「これからは管理体制を強化する」とか言うけど、俺はいつも素直になっとく出来ないのよね。

 なんというか、人間つうのはどんなものでも「絶対に完全なもの」を想定するので、それが完全じゃないかもしれないという考えは持ちあわせない。
 だから不正な賄賂を受け取る政治家は存在するとは思わないし、学校の教師が生徒に手を出すなんて考えもしない。子供たちは無邪気な天使だから、人を殺すことなんて考えもしない。

 偉そうに言ってけど、俺だってそうだし、みんなだってそうでしょ?
 この文章に誤字・脱字なんかあるはずはないし、完成したプログラムにバグなんかあるはずもない。
 ないったらないのだぁ~!

 と、みんな思うよね。
 そう、それは全然間違ってはいない。

 だけど、だけどそんなにうまく行くのなら誰も苦労しない。
 思ってもいなかったことになってしまうのも事実なんだからさあ。

 で、本当はその「思ってもいないことになってるかも」と実はみんなもわかっているんだよね。
 わかっているんだけど、わからないようにしてしまっている。
 なぜならそのほうが楽だから。

 事前に伺うことを言っておけば「思ってもいないこと」を隠してくれているから見ないでいい。
 見て回るのは面倒だから「ゴミが落ちてるかどうかだけで判断すればいいし、仮に落ちていてもそれでどうこうなるわけでもないから黙ってればいいや」。

 こうすれば楽でいいや。

 俺だって面倒くさがりやだから偉そうには言わない。
 でもそれじゃあ、誰かが苦労しているということになる。
 片一方が楽なのなら、もう片一方は苦労している天秤になっているはずだ。
 仮に丁度水平の天秤だとしても、楽な数だけ苦労も同じ数になっているはずだ。

 よく学校内におけるいじめの数というのが発表されるけど、いつも学校の数に比べて少ないじゃないか。
 あれって俺に言わせれば絶対におかしいと思うぜ。
 だってそうだろ?

 学校の数だけいじめがあるんだからさ。

 みんなもそう思うだろ?
 今までいじめの現場を見たことがないなんて人いる?

 いじめの現場を見ちゃうと面倒だから、教師は事前に自分の前ではいじめはなかったことにして欲しいし、いじめる側もそのほうが都合がいいからそのように振る舞う。
 もし仮に見ちゃっても「これはいじめではない。ただじゃれているだけだ」と思えばいい。

 事前に現場を視察することを告げてまずい部分を隠してもらい、自分はただその現場に訪れるだけでいい。

 俺が小学校2年生のときにクラス全員で花の観察をしていたら、先生から(予断だが俺この先生は今考えても大嫌いなのだが、この話はいい話なのでその部分は評価してる)聞いた話で以下のようなのがある。
 とある学校の小学校2年生のクラスで同じように花の観察をしていて、感想文を提出してもらったらみんな「花の色が何色」だとかという、見ただけの内容だったけど、一つだけ違う内容のものがあった。
 それはどんな子の感想文だったのかと言うと、目の見えない障害を持ってしまった女の子のものだった。
 その女の子は目が見えない部分を補うため、必死に花に触れて「どんな感じなのか」を観察したのである。
 だから他の子とは違って「花の手触り」や、触れないとわからない「花粉の状態」まで感想文に記していたと。

 俺はこの話を聞いたとき、俺達目の見える者達がどれほど目に頼って生きていて、頼り過ぎているかを痛感した。
 そう、目で見えるものが全てではないのだ。
 実際に触れてみないとわからないものが多数なのだ。

 だが我々はぱっと見での印象だけを重視する。
 ゴミが散らかっていない現場には何も問題はない、みんなが笑ってる教室にはいじめなんかない。

 こう考えれば楽だからな。

 だが忘れてはいけない。
 その楽をとったがために苦労する者が存在していることを。

 不断は不真面目にやっている者が、偉いさんが来たから突然真面目に振るまい、普段から真面目にやっている者が馬鹿馬鹿しくなること。
 いじめに合っているのに教師がその現場を見ないためにいつまでたってもその子が助からないこと。

 これらをなんとかするのは、誰あろう見て回ることが許された、偉いさん、あんた達なんだろう?

 「ドラえもん」のとある話で、威張ってばかりの殿様がタイムマシンで過去から現代にやって来て、子供に「おじさんはなんで偉いの?」と聞かれたら、「殿様は偉いのだ」と言うと、なんで「偉いの?」と聞かれて、「偉いから殿様なのだ」と言う。
 でも子供は「なにもしないのに偉いの?」と言われて殿様が困るという話がある。

 きれいな部分だけを見て、その奥底に隠されている真実を面倒だから見ない。
 自分は現場を見て回る偉いさんだ、自分は生徒の上に立つ偉い教師だ。
 そうおっしゃるあなた方にお聞きします。
 「ねえ、なぜ偉いの?」と。



なにが偉くてなにが偉くないのか。それがわかる人が一番偉いと思うんだけど、どうだろう?

2001/05/15
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://kikendesu.blog84.fc2.com/tb.php/15-ad0a6fd8

 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。